保護者のみなさまが、子どもの就職にかかわる際のポイントをご紹介します。
「子どもが、どんな仕事に就きたいのかわからない」
「企業に就職してちゃんとやっていけるのだろうか…」
「自分の子どもは、何もしていないみたいだけど大丈夫?」 など、
心配になる保護者の方も多いかもしれません。
社会状況がめまぐるしく変わる現代は、就職事情も年ごとに変化するもの。保護者世代の就職活動と、現在の子どもの就職環境は大きく異なっています。自分の経験や一部の情報だけに頼り、子どもに偏ったアドバイスをしてしまうことは危険です。
子どもの就職環境をよく研究して、将来の希望について充分理解することが大切です。
今この時代を生きる子どもにとって、身近な存在としての保護者のアドバイスは、とても頼りになるもの。人生の先輩として、一番の良き理解者として、子どもの就職を応援してあげましょう。
いざ就活!といっても何をすればいいのかわからない保護者も多いはず。
保護者世代の就職環境とは少し異なる、現在の子どもの就職事情。どのくらいご存知でしょうか。
1. 入社して3年以内に約4割がやめている
無事に就職できたからといって安心ではありません。近頃は、中卒者の「約6割」、高卒者の「約3割」、大卒者の「約4割」が3年以内に離職。全体にして3年以内に約4割が辞めているという調査結果があります。就職はゴールではなく、スタート。なにか悩んでいることはないか、入社後の子どもの様子にも気を配る必要があります。
2.「仕事が合わない」が辞める理由のトップ
厚生労働省のデータによると、1年以内の退職理由は「仕事が自分に合わない、つまらない」がトップ。次いで「賃金・時間等の労働条件」「人間関係」と続きます。あまりに短い期間では、仕事の面白さもわからないですし、人間関係も築けません。どちらもいくつかの障害を乗り越えて、初めて本当の良さがわかるもの。「辞めたい」と子どもが言ってきたら、じっくり話し合ってみましょう。
3.働き方のカタチが変わっている
昔であれば、誰もが「正社員」として採用され、定年まで勤め上げることができた日本。しかし現在は、会社と個人のニーズに合わせて、働くカタチが多様化しています。雇用形態を大別すると、「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」の4つ。選択肢が増えた分、どんな風に人生設計を行い、キャリア形成をしていくのか、個々の判断力が問われる時代になっています。
親の思い込みが、誤った選択をさせることも。
親自身の経験に基づく思い込みや、一部の情報にばかり頼ることは危険です。特に次のような場合は要注意。
* 親世代の就職状況が未だに続いていると思い込んでいる。
* 大企業は安定した良い企業、中小企業やベンチャー企業は不安定な企業、と決めつけている。
* 有名企業や知っている企業にしか目がいかず、企業の実情をよく知らない。
* 就職できて当たり前、なんとかなると思っている。
子どもの環境や将来の希望に合わせたアドバイスを心がけましょう。
就職活動中の子どもに、普段どんな言葉をかけていますか?どのくらい、就職活動について話をしていますか?
就職活動や、その先の職場定着の一歩は家庭から。一つひとつの関わり方が大切です。
就職活動・職場定着の一歩は家庭から始まります。家庭でできないことは職場でもできないもの。次のポイントに心がけて、普段から子どもと接してみましょう。
挨拶
職場での基本は「挨拶」と「返事」で、採用時に重視される「コミュニケーション力」の基本もまずは挨拶から始まります。
挨拶は言われるのを待つのではなく、家族から元気よく。「挨拶が当たり前」の環境づくりをしましょう。
日常会話
仕事は一人ではできません。幅広い年代との関わりや会話が必要です。単に情報をやりとりするだけではなく、相手の立場に立ち、思いやりを持って自分の考えを伝えられるかどうかが、スムーズなコミュニケーションにつながります。
自分のことを話すことより、まず聞くことが大事。「聞く」「理解しようとする」と会話の達人になれます。
仕事の話
ぜひご自身の仕事のことを話してください。情報が多いほど将来の目標も広がります。仕事の話をどんな風にしていますか?つい、愚痴ばかりを言っていませんか?愚痴で終わらせず、どう行動したかを伝えること。
仕事のやり甲斐や面白さを聞くと、働く意欲につながります。
笑顔
「不満顔の人」「笑顔の人」あなたなら会社でどちらの人と一緒に働きたいですか?家庭での普段の表情は、職場でも出ます。今日の良かったこと、うれしかったこと、楽しかったことを話題にすると、家庭で笑顔が増幅します。
自信を持たせること
青年期は、他者と自分を比べて自信を失いがち。できないこと探しではなく、できることを認めてあげることで自信につながります。
「信頼している・関心を寄せている・認めている・ありのままを肯定する」態度が、自信をふくらませます。
就職活動に始まる「子どものこれから」を見通す目こそ、保護者に求められる視点です。
10年後、20年後どんな風になっていたいか、子どもに聞いてみてください。
想像できなければ、一緒に考えてみてください。
自分がなりたい姿をイメージできれば、自ずと仕事の選び方も違ってきますし、目の前の試練を乗り越える力も身についていくはずです。
人生の先輩として、子ども一番の良き理解者として、導いていきましょう。